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2001年に6000系の置き換え用としてデビューした9000系。歴代2番目の多さとなる、264両が製造されました。そんな9000系もデビューから21年経ち、劣化も見られるようになっています。今回は8000系の大規模改修や、7000系の更新工事などを元に、9000系の大規模改修がどのような内容となるか予想してみます。

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まず、外観上でもわかるのが扉の交換。8000系では角のRが小さい、四角に近い扉から、複層ガラスとなり角のRも大きくなりました。複層ガラス化により扉とガラスの段差が小さくなるため、戸袋への引き込まれを防止することが可能です。また、30番台では全車が複層ガラスとなっていることから、0番台についても複層ガラスに交換されると考えられます。7000系、9000系30番台では化粧板の無い扉ですが、8000系では化粧板が貼られていることから9000系では0番台では引き続き化粧板のある扉となりそうです。

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内装面で目立つのが化粧板の変更です。9000系0番台では、妻面とそれ以外の場所で化粧板のデザインが異なります。他の車両では揃えられていることから、全体で統一されそうです。また、8000系や井の頭線の1000系ではそれぞれの路線のイメージの柄を採用していることから、座席のモケットと併せて高尾山の新緑をイメージしたデザイン、もしくは京王線沿いの名所をイメージしたデザインとなると考えられます。

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そして安全面では、全ての車両の両端に貫通扉が設けられることが考えられます。近年車内での発煙、発火トラブル、事件が相次いでいる他、刃物を持った人が現れることが増加してしまっていることから、延焼や避難した乗客を守るためにも貫通扉の増設が行われそうです。しかし1000系では増設が行われなかった事、改造に手間がかかってしまう事から、こちらは行われない可能性があります。

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そしてサービス機器についてです。9000系0番台では自動放送装置が搭載されておらず、7000系との連結時も基本的に自動放送は使われていない事から、新たに自動放送装置が搭載され、自動放送の使用が開始されると思われます。これにより7000系の2両編成と連結した際や、単独時でも自動放送が使用できるようになり、英語放送による放送品質の向上も目指せそうです。また、それに伴い9731F〜9735Fの様に、車外スピーカーの変更も行われると考えられます。

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予想が難しいのが、LED表示器についてです。LEDの劣化が進み、白色が変色している車両もあるため、この機会に新品に交換してもおかしくはありません。最近では7725Fの一部車両でLEDが交換され、綺麗な表示となりました。また、車内案内装置についても、9000系全体で統一する目的から、LCDに交換されることも考えられますが、0番台が7000系と連結した際に、LCDの表示内容を3色LEDに変換可能なのかという疑問もあります。この点から30番台のみがLCDで統一されると考える事もできます。

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30番台のみで施行されそうな内容として、9731F〜9735Fの種別行先表示器の統一です。9736F以降の製造車では、表示枠一杯にFCLEDを入れています。しかし9731F〜9735Fでは表示枠に対し小さいLEDを搭載し、種別部分はFCLED、行先部分が白色LEDとなっています。これを9736F以降のFCLEDと統一することで文字の拡大や種別変更表示のカラー化、予備部品の削減が可能となると考えられます。この事から9731F〜9735Fでは、側面を中心に種別行先表示器の交換もされそうです。

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2000年代に製造されている事からそこまで大掛かりな改修は必要なさそうに見える9000系。しかし時が経ち時代遅れな部分も見え始めてきました。制御装置と主電動機は交換するのか、交換したとしてどのような仕様になるかなど、まだまだ色々な事が考えられそうですね。